え、大陸法系の国なのに「Dumb Law」あるの?!~フランス編~
こんにちは、すめらぎです。
約一年前にDumb Lawについて記事にしました。
簡単におさらいすると
ウソみたいな法律の世界〜Dumb Low〜 - Dumb研究所
アメリカやイギリス等が使用する判例法(Common Law)と日本は大陸法系(Civil Law)法律の作られ方が違うため、現代にそぐわない法律が出来上がり、現代にまで残ってしまっているという事です。
という説明をしました。
(詳しくは↑記事をミテネ)
今回は大陸系法の国でもDumb Lawができてしまう実例と過程をご紹介します。
さっそくですが、フランスにある法律を6例あげます。
1. 「フランス国内でフランス語以外を話すことの禁止」
原文
« Toute procédure réglée par l’ordonnance sera rédigée en langue française… »(1539年 ヴィレ=コトレ勅令、Articles 110–111)
1539年に制定されたヴィル=コトレ勅令では、公的手続きはすべてフランス語で行うことを定めました。現在でもこの条文は形式上有効で、最高裁(Cour de Cassation)でも引用されることがあります 。
2. 「親族間の窃盗は告発できない」
原文
(刑法第311‑12条)« Les faits mentionnés au premier alinéa constituent un délit seulement si la plainte est portée par la victime »
家族間での窃盗は、被害者が告訴しない限り犯罪とされません。つまり被害者が家族なら、犯罪として処理されにくい仕組みです 。
3. 「死者との結婚が可能」
原文
« Le consentement du conjoint décédé doit avoir été donné avant son décès… et l’autorisation requise du Président de la République »(民法第171条相当)
相手が婚前に結婚の意思を示していて、かつ大統領の承認があれば、死者との結婚が可能です。1959年にマルパセットダム崩壊の遺族のために初めて適用されました 。
4. 「ホームでのキス禁止令(1910年)」
原文
« Il est interdit de s’embrasser longuement sur les quais de gare afin d’éviter les retards »
1910年制定。プラットフォームで別れの長いキスをするのが列車遅延につながるとして禁止されました。今は形骸化しており、警察が取り締まることはありません 。
5. 「自宅で裸になることの禁止」
原文
« Est puni d’un an d’emprisonnement et de 15 000 € d’amende le fait de se livrer à la nudité dans un lieu accessible aux regards du public »(刑法第222‑32条)
窓やバルコニーなどから公共の目に触れるような形での裸体は処罰対象となり、罰金および懲役の可能性があります。一見プライベートな行為でも条件次第で違法とされる可能性があります 。
6. 「夜のエッフェル塔写真撮影禁止(商用)」
原文
« L’éclairage de la Tour Eiffel la nuit relève du droit d’auteur : sa reproduction sans autorisation est interdite »
夜間に点灯されるエッフェル塔のライトアップは著作物として保護されており、商用利用には許諾が必要です。観光客が夜景写真をSNSで投稿する分には通常問題ありませんが、販売や商業目的の場合は注意が必要です 。
このように既に形骸化されていたり、現代にはそぐわない法律が今でも残っています。
ではなぜ大陸系法(特にローマ法を起源とする成文法体系)を持つフランスで、なぜ時代にそぐわないような法律が生まれ、そして残り続けたのか
その背景にはいくつかの制度的・歴史的・文化的要因があります。
1. 成文法中心主義(Codification)
フランスの法体系は、1804年の「ナポレオン民法典」以来、法律(法典)を体系的に書き下すことを重視してきました。
→ すべての行動は原則「法に書かれていなければ合法/違法か判断できない」=条文化が重要
🔹 結果:
時代ごとのニーズに応じて細かい法律が頻繁に作られる。
だが、不要になった法は自動的に消えない(形式上は残り続ける)
2. 法令の“積層化”と“未整理のままの残存”
フランスには、中世の勅令、王令、革命期の法、帝政期、共和国期など、歴史的な政体交代が多く、そのたびに多様な法律が追加・変更されてきました。
🔹 結果:
古い法律が新しい法と矛盾しない限り残存
整理の手間が大きく、放置されたまま“生きた法律”と並存
例)1800年の「女性ズボン禁止」は、20世紀になっても矛盾する法がなく明確に廃止されなかったため、残っていた。
3. 象徴的・道徳的な法律の傾向
大陸法では、国家が道徳・公共秩序を形成する役割を積極的に果たすため、法律に「理想」や「模範行動」を書き込むことが多いです。
🔹 結果:
社会秩序や道徳観を法で規制(例:駅でのキス禁止、裸体禁止など)
社会が変化しても、法が柔軟に更新されない場合、“古臭い”ルールだけが残存
4. 裁判所の役割が限定的(司法消極主義)
英米法(Common Law)と異なり、大陸法では判例(裁判例)が原則として法源にならず、裁判所は法律に書かれたことしか適用できない立場です。
🔹 結果:
古い法律に対して、「裁判官が無効と判断する」ことが難しい
立法府(国会)や行政(官報)が改廃しない限り、古い条文が“生き残る”
5. 文化的に「文書としての法」を尊重する国民性
フランスは、革命期から「すべての市民は法の下に平等である」という原則を掲げてきた国で、“見える法”=文字で残す法の重要性を強く重視してきました。
🔹 結果:
たとえ使用されなくても、法令を残す文化的傾向
「法の形式」が重視され、「実態との乖離」が起こりやすい
✍️ なぜ「廃止されにくい」のか?
- 明確な廃止手続きが必要(単に使われないだけでは廃止にならない)
- 法改正は政治的コストが高い(優先順位が低い)
- “害がなければそのままでよい”という行政文化
まぁあったところで害もない法律だったら税金使って国会で取り上げて、わざわざ廃止するのもめんどうですよね...

✅ 結論
フランスのような大陸法系国家では、法を「体系的に記録する」ことに重きを置き、判例での柔軟な修正が利きにくいため、歴史的な“奇妙な法律”が形式的に残る傾向があります。
これらの法律は今日、法文化や法整備の対象として研究・再評価されています。近年でLégifranceなどを通じて、こうした旧法の見直し・整理も進んでいますが、進んでる...とは言いにくいのが現実です。
いかがだったでしょうか。
世界には色々な法律があり、それらの歴史を紐解くと裏にあるその当時の社会観や死生観が垣間見えますね。
そんなことを思うと各国の色々な法律を調べる気持ちが収まらないのです。
あなたも好きな国の法律を調べてみてはいかがでしょうか?
では
参加文献
Top 10 des lois les plus absurdes en France
↓ Légifrance(フランス法令公式ポータル)
ウソみたいな法律の世界〜Dumb Low〜
こんにちは、すめらぎです。
突然ですが、「Dumb Low」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「Dumb Law」とは、現代の基準では無意味または役に立たないと見なされる法律を指します。これらの法律は、多くの場合、かつては特定の状況や社会的な背景に基づいて有効であったものの、現在では時代遅れとなり、その存在意義が薄れているものが多いです。
例えば、いくつかのアメリカの州法を見てみましょう。
法律: 運転中に目隠しをすることは禁止されています。
条文: "It is illegal for a driver to be blindfolded while operating a vehicle."
法律: 運転手が自分でガソリンを入れることが禁止されています。
条文: "It is illegal for drivers to pump their gas in the state of Oregon."
カンザス州
法律: 日曜日の特定の時間帯にクラムチャウダーを食べることが違法です。
条文: "It is illegal to eat clam chowder on Sundays between 11:50 A.M. and 12:48 P.M."
法律: フライドチキンを手で食べる以外の方法で食べることは違法です。
条文: "It is illegal to eat fried chicken in any other way than with your hands."
などです。
何故このような法律が制定されるのかというと、日本と諸外国では法律の定められ方に違いがある場合があります。
アメリカやイギリス等は判例法(Common Law)を重要な法源の一つとしています。判例法とは、裁判所の判決を通じて形成される法のことを指します。これは以下のように機能します。
判例法の概要
判決の先例性:
裁判所の判決は、将来の同様のケースで参照される「先例」となります。
特に高等裁判所(例:連邦最高裁判所、連邦控訴裁判所、州最高裁判所)の判決は、下級裁判所に対して拘束力を持つことが多いです。
判例の継続性と変化:
判例法は継続的に適用され、法の安定性と予測可能性を提供します。
しかし、社会の変化や新たな事実に応じて、裁判所は過去の判例を変更したり、新たな法理を発展させることもあります。
スタレ・デシシス:
「Stare Decisis」という原則が重要で、これは「前の判決に従う」という意味です。
裁判所は、既存の判例に従うことを基本とし、一貫した法の適用を図ります。
判例法の具体的な適用
連邦法と州法:
アメリカの法体系には、連邦法と州法があり、それぞれ独自の判例法が発展しています。
連邦最高裁判所の判決は、連邦法に関する全ての下級裁判所を拘束しますが、州法に関する判決は各州の最高裁判所の判決に従います。
分野ごとの判例法:
刑法、契約法、不法行為法などの各分野で、判例法は詳細なルールと原則を確立しています。
特に契約法や不法行為法は、判例法に大きく依存しています。
日本との比較
日本の法体系:
日本は大陸法系(Civil Law)の国であり、法典や成文法が主な法源です。
判例も法解釈の参考にはなりますが、アメリカほどの拘束力は持ちません。
最高裁判所の判例は他の裁判所に影響を与えることが多いですが、法律そのものを変える力は限定的です。
結論
アメリカの判例法は法体系の中核を成しており、裁判所の判決を通じて法が形成され、発展していきます。これは、法律が固定されたものではなく、柔軟に対応できるようにするための重要なメカニズムです。日本のような大陸法系の国とは異なり、アメリカでは判例が法源として非常に重要な役割を果たしています。そのぶん、法の更新遅れが発生してしまうことがあるんですね。
一方で、ネットによくある「奇妙すぎる法律」や「おかしな法律」と言った枕詞のサイトに書かれている法律は意訳の間違いであることが大半です。厳密には各国の法律を一つ一つ和訳していくしかないのですが、やったとて得られる知識が全く現実の役に立たないのがまたなんとも言えないところ、、、
でもこの記事を最後まで読んだ諸兄なら検索してみてはいかがでしょうか🔍
ソース:
E233系の分類 0番台~8000番台
こんにちは、スメラギです
今回はJR東日本の主に首都圏で活躍しているE233系の種類について解説します。
パッと見同じ外見ですが意外と違いがあるのかないのか・・・
その辺の判断は皆さんにお任せします。
所要時間・・・5分
- E233系0番台
- E233系1000番台
- E233系2000番台
- E233系3000番台
- E233系5000番台
- E233系6000番台
- E233系7000番台
- E233系8000番台
旅客者の形式 ハロシネニヤ
こんにちは、スメラギです。
前回の電車の形式の続きです。
車体には大体「サハ」や「モハ」といったように2文字で書かれていますね。
今回はその2文字目のお話です。
所要時間・・・2分
- 用途による分類
- 補完
電車の形式の記号 ク?モ?ハ?
こんにちは、スメラギです。
電車の車体にはク?モ?ハ?・・・みたいなカタカナが書かれていますよね。
今回はこれらが何を指し示すのかのお話です。
所要時間・・・3分
- 概要
- 運転設備による分類表
- 補完